ラマダン開始後も攻撃で死者=ハマス軍事ナンバー2殺害か―ガザ 2024年03月12日 15時50分

11日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスの街から上る黒煙(AFP時事)
11日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスの街から上る黒煙(AFP時事)

 【イスタンブール時事】パレスチナ自治区ガザでは11日、イスラム教の神聖なラマダン(断食月)が始まったが、イスラエルによるイスラム組織ハマス掃討作戦が続き、複数の死者が出た。避難民キャンプに身を寄せるガザ市民は攻撃がやまない中、生きるための食料調達に奔走した。
 ロイター通信によれば、イスラエル軍は11日、北部ガザ市で民家を攻撃し16人が死亡。南部ハンユニスでは初日の断食を終えた住民の家に空爆があり、2人が死亡した。ガザ保健当局は12日、累計死者数が3万1184人になったと発表した。
 AFP通信によると、戦闘休止交渉を仲介するカタールの外務省報道官は12日、「ラマダン中に合意できるよう交渉は続けているが、合意に近づいているとは言えない」と語った。
 一方、イスラエル軍報道官は11日、ハマスの軍事部門「カッサム旅団」ナンバー2のマルワン・イッサ氏が軍の攻撃で死亡した可能性があり、調査中と発表した。確認されれば、昨年10月の戦闘開始後に殺害されたハマス幹部のうち最も重要な人物とみられる。イッサ氏は同月7日のハマスによるイスラエル奇襲を主導した一人とされる。
 国連のグテレス事務総長は11日、ラマダン開始に合わせて記者団に、「この神聖な月にガザで戦闘が続いていることに驚がくし、怒りを感じる」と強調。「避けられる犠牲を防ぐため行動が必要だ」と述べた。 

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