ハマス軍事幹部殺害か=ラマダンの緊張悪化けん制―イスラエル 2024年03月12日 05時58分

11日、パレスチナ自治区ガザ中部デイルバラで、ラマダン(断食月)初日を迎え、食事をする家族(AFP時事)
11日、パレスチナ自治区ガザ中部デイルバラで、ラマダン(断食月)初日を迎え、食事をする家族(AFP時事)

 【イスタンブール時事】イスラエル紙ハーレツなどは11日、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザでの攻撃で、イスラム組織ハマスの軍事部門「カッサム旅団」ナンバー2のマルワン・イッサ氏が死亡した可能性があると伝えた。確認されれば、昨年10月のハマスのイスラエル奇襲を機に始まった戦闘で、イスラエルが殺害した最も重要なハマス幹部になるという。
 イッサ氏は、イスラエルが賞金を懸けて殺害を狙う軍事部門トップのムハンマド・デイフ氏の最側近とされる。反イスラエル闘争に長く関与。イスラエルでの投獄歴があり、数回の暗殺未遂にも遭っている。今月10日、ガザ中部ヌセイラトにある難民キャンプ地下で潜伏中に空爆を受け、死亡したとの情報がある。
 軍報道官は11日、ヌセイラトへの攻撃を認めた上で、イッサ氏の生死を確認中だと説明した。攻撃場所に人質はいなかったとしている。地元メディアによれば、ガラント国防相は軍幹部との会合で「ここ数日で大きな成功を収めた」と述べ、何らかの大きな戦果があったことを示唆した。
 ガラント氏は11日公表したイスラム教のラマダン(断食月)開始に合わせた声明で、「ラマダンはジハード(聖戦)の月になり得る。われわれを試そうと考えて過ちを犯すな」と警告。宗教心の高揚を利用したイスラエルへの敵対行為をけん制した。ネタニヤフ首相は米FOXニュースのインタビューで、「(ガザ最南部)ラファにいるハマス戦闘員の4分の1を放置できない」と戦闘継続の決意を改めて示した。 

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