ウクライナ占領地で期日前投票=「主権侵害」とG7警告―ロ大統領選 2024年03月11日 16時43分

ロシア大統領選の投票用紙を運ぶトラックを守る警察=6日、ウクライナ南部クリミア半島セバストポリ(AFP時事)
ロシア大統領選の投票用紙を運ぶトラックを守る警察=6日、ウクライナ南部クリミア半島セバストポリ(AFP時事)

 ロシア大統領選(15~17日投票)の期日前投票が占領下のウクライナ東・南部4州で行われている。2月下旬の南部ザポロジエ、ヘルソン両州を皮切りに、10~11日に東部ドネツク、ルガンスク両州で開始。日本を含む先進7カ国(G7)首脳は「甚だしい主権侵害」とし、4州や南部クリミア半島での選挙を認めないと警告している。
 4州はプーチン政権によって2022年秋に一方的に「併合」され、戒厳令が敷かれた。併合前に「住民投票」、昨年9月に「ロシア統一地方選」が強行され、ウクライナは「銃口を突き付けられた投票」「偽の選挙」と非難した。
 「選挙終了後、投票を拒否した住民への新たな弾圧が始まるだろう」。ゼレンスキー政権が任命したザポロジエ州のフェドロフ知事は、英紙ガーディアンの取材にこう懸念を口にした。
 同紙によると、投票は選管スタッフらの戸別訪問形式でも実施。一票を投じたかどうかは「反ロシア派」をあぶり出す判断材料となる。「住民投票」の際、ザポロジエ州の自宅で棄権を表明した男性は、夜に訪問してきたロシア軍兵士らに殴打され、最終的に故郷を離れることを余儀なくされた。 

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ウクライナ東部に設置された「ロシア統一地方選」の投票所=2023年9月、ドネツク(EPA時事)
ウクライナ東部に設置された「ロシア統一地方選」の投票所=2023年9月、ドネツク(EPA時事)

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