ラマダン入りも休戦見通せず=イスラエル首相、ラファ侵攻の必要性強調 2024年03月11日 15時36分

10日、パレスチナ自治区ガザ中部デイルバラで、ラマダン(断食月)のため飾り付けられた避難民のテント(EPA時事)
10日、パレスチナ自治区ガザ中部デイルバラで、ラマダン(断食月)のため飾り付けられた避難民のテント(EPA時事)

 【イスタンブール時事】中東イスラム諸国各地で11日、イスラム教徒にとって神聖なラマダン(断食月)が始まった。ただ、イスラム組織ハマスの壊滅を目指すイスラエルのネタニヤフ首相は10日、「ハマス最後のとりで」とみるパレスチナ自治区ガザ最南部ラファに侵攻する必要性を強調。ハマスとの間接交渉も進まず、米国などが求める戦闘休止の実現は見通せないのが現状だ。
 ガザ保健当局によれば、パレスチナ人の死者は3万1000人を超えた。ネタニヤフ氏は10日、ガザで死亡したパレスチナ人のうち「テロリスト」が少なくとも1万3000人含まれるとドイツメディアに主張した。また、150万人ともされる避難民らが集中するラファへの進軍について、ハマス壊滅へのカギだと指摘。激しい戦闘は「数週間」で終わるとの考えを示した。
 中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、ガザではラマダン初日の11日も南部ハンユニスなどで攻撃が続いて死傷者が出た。また、ガザ北部で栄養失調と脱水症状により子供2人が死亡し、同様の死者は計27人に達した。
 ハマスの最高指導者ハニヤ氏は10日、テレビ演説し、「敵はわが人民への攻撃停止に向けた約束を拒否している」とイスラエルを非難。その一方、仲介役から適切な提案を受け取れば「休戦合意を完了させる準備ができている」と説明した。 

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