日本の武器輸入、155%増=「中国野心への懸念」―国際平和研 2024年03月11日 08時15分

演習で巡航ミサイル「トマホーク」を発射する米海軍のイージス艦=2019年5月、フィリピン海(米海軍提供)
演習で巡航ミサイル「トマホーク」を発射する米海軍のイージス艦=2019年5月、フィリピン海(米海軍提供)

 【ロンドン時事】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は11日、世界の武器取引に関する報告書を公表し、2019~23年の5年間の日本の武器輸入量が、14~18年比155%増になったと明らかにした。世界の輸入全体の4.1%を占め、第6位の武器輸入国だとしている。
 報告書は、日本が長距離攻撃能力向上に多額の投資を行い、昨年までの5年で米国から戦闘機29機を調達したと指摘。23年に長距離ミサイル400発を米国に発注し、初めて中国や北朝鮮の奥深くにある目標に到達する能力を得ることになると分析した。
 また、韓国の輸入も6.5%増加。SIPRIは「日本をはじめとするアジアやオセアニアの米同盟国による高水準の武器輸入は、中国の野心に対する懸念であることは疑いない」と強調した。
 SIPRIによると、22年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始以降、欧米諸国がウクライナに大量の武器支援を行ったことにより、同国は欧州最大、世界4位の輸入国となった。ロシアについては「22年から23年にかけて北朝鮮から弾道ミサイルを輸入した。これは国連の対北朝鮮武器禁輸に違反している」と批判した。 

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