全人代、11日閉幕=国防予算を採択、首相会見なし―中国 2024年03月10日 14時12分

10日、北京の人民大会堂で、中国の全国政治協商会議(政協)が閉幕し、拍手する習近平国家主席(中央)(AFP時事)
10日、北京の人民大会堂で、中国の全国政治協商会議(政協)が閉幕し、拍手する習近平国家主席(中央)(AFP時事)

 【北京時事】中国で5日から開かれている全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は11日、閉幕する。今年の経済成長率目標を5%前後とした政府活動報告や、国防費をはじめとする予算案を採択。30年余り続いてきた最終日の首相記者会見は行われず、習近平政権の閉鎖性を印象付ける閉幕となる。
 今年の国防予算は1兆6655億元(約34兆円)で、経済目標を上回る前年比7.2%増の伸びを確保した。共産党機関紙系の環球時報は社説で、「『台湾独立』や国外干渉勢力がうごめき続けている」として、国防強化の必要性を強調。透明性を欠いた軍拡への懸念を指摘した日本政府を名指しし、防衛費の増額を続ける日本に「とやかく言う資格はない」と反発した。
 恒例だった首相会見は、定例化された1993年以降初めて取りやめとなる。「一強」体制を築いた習国家主席の下、首相の権限が縮小していることや、低迷する経済への質問が集中するのを避ける狙いがあるとみられている。首相が内外記者の質問に直接答える事実上唯一の機会だったが、「重要な政策は党中央が宣言する」(香港紙)という姿勢が鮮明となった。
 全人代では、国務院(中央政府)の職務に関し、党の優位性を改めて規定する法律の改正案も審議された。一時取り沙汰された外相の交代人事や、事実上の更迭で一部が空席となっている副首相級の国務委員の補充はなかった。
 一方、並行して開かれていた国政助言機関・全国政治協商会議(政協)は10日、閉幕した。 

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