地方トップら、習氏に忠誠=次期党大会見据え―中国全人代 2024年03月09日 15時32分

中国全国人民代表大会(全人代)の天津市分科会に出席する市トップの陳敏爾・党委員会書記=6日、北京
中国全国人民代表大会(全人代)の天津市分科会に出席する市トップの陳敏爾・党委員会書記=6日、北京

 【北京時事】中国で開会中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、地方トップらが習近平国家主席(共産党総書記)への忠誠を相次いで表明している。習氏の長期政権を見据え、2027年の次期党大会に向けたアピールが始まっている。
 地方各省などが主催する分科会は5日から開かれ、コロナ禍を経て5年ぶりに海外メディアにも公開された。天津市トップの陳敏爾・市党委員会書記は、春節(旧正月)前の習氏の天津視察に触れ、「総書記が自ら提起した事案の背景と中身を常に学んでいる」と強調した。陳氏は習氏が浙江省で勤務していた時期の部下で、側近の一人。
 少数民族への人権弾圧が指摘されるチベット自治区の分科会では、自治区幹部が「チベットを訪れた外国人は、党の英明な指導による経済・社会発展の成果を目の当たりにした」と習政権の政策を正当化。中国メディアによれば、新疆ウイグル自治区の代表らも分科会で、社会の安定や経済発展、民族の団結が進んだと主張した。
 習政権の人事は、能力より忠誠重視と指摘される。現在の3期目政権は、一貫して忠誠を誓ってきた地方トップらが最高指導部に引き上げられた。 

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中国で開会中の全国人民代表大会(全人代)で、内外メディアに公開された天津市の分科会=6日、北京
中国で開会中の全国人民代表大会(全人代)で、内外メディアに公開された天津市の分科会=6日、北京

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