バイデン氏、再選目指し対決姿勢=トランプ氏非難を連発―ウクライナ支援訴え・米一般教書演説 2024年03月08日 17時21分

7日、米ワシントンの議会で一般教書演説を行うバイデン大統領(AFP時事)
7日、米ワシントンの議会で一般教書演説を行うバイデン大統領(AFP時事)

 【ワシントン時事】バイデン米大統領は7日夜(日本時間8日)、連邦議会の上下両院合同会議で一般教書演説を行った。再選を目指す11月の大統領選に向け、演説では政敵のトランプ前大統領への批判を連発し、対決姿勢を鮮明にした。これに対し、トランプ氏もSNSで対抗意識をむき出しにした。
 今回の一般教書演説は、バイデン、トランプ両氏の再対決の構図が固まってから最初の重要政治イベント。論戦の事実上の幕開けとなった。
 バイデン氏は演説で、トランプ氏を直接名指しこそしなかったが、「私の前任者」と少なくとも13回呼び、痛烈な批判を浴びせた。これに対し、トランプ氏は「偏向的で、怒りや憎悪に満ちた演説だった」と反発した。
 バイデン氏は特に、前回大統領選の結果を不服とするトランプ氏の支持者による2021年1月の連邦議会襲撃事件を挙げ、「南北戦争以来、自由と民主主義が今ほど国内で攻撃を受けていることはない」と非難。トランプ氏に敗北を受け入れるよう促した。
 外交・安全保障では、ロシアの侵攻が続くウクライナへの支援を盛り込む法案を超党派で可決するよう議会に呼び掛けた。スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)正式加盟にも言及。NATO加盟国への攻撃をロシアに促すかのような発言をするトランプ氏を「ロシアの指導者に屈した」と糾弾し「私は屈しない」と強調した。
 経済政策でもトランプ氏批判を繰り広げた。富裕層と大企業への減税を志向するトランプ氏に対抗し、勤労世帯の負担軽減を表明。「ウォール街(金融街)がこの国を築いたのではない。中間層が築いたのだ」と述べ、富裕層への課税強化を打ち出した。
 大統領選を前に81歳という自身の年齢への不安が広がっていることには、「わが国が直面している問題は、私たちがどれだけ老いているかではなく、考え方がどれだけ老いているかだ」と反論。「私には民主主義を衰退させるのではなく、守る未来が見える」と未来志向を前面に押し出した。 

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