経済政策、トランプ氏と差別化=富裕層・大企業増税へ―米大統領 2024年03月08日 17時16分

バイデン米大統領(写真左)とトランプ前大統領(いずれもEPA時事)
バイデン米大統領(写真左)とトランプ前大統領(いずれもEPA時事)

 【ワシントン時事】バイデン米大統領は7日の一般教書演説で、富裕層や大企業への課税強化と勤労世帯の支援を打ち出した。企業や資産家を優遇する大型減税を実現したトランプ前大統領との経済政策の違いを鮮明にした形だ。経済は「世界で最良の状態だ」とも強調。就任以来続く雇用拡大やインフレ率の低下を誇示した。
 バイデン氏は「賃金は上昇を続け、インフレは下がり続けている」と指摘。トランプ氏から政権を引き継いだ時、コロナ危機で「瀬戸際にあった」経済を立て直したことをアピールした。
 特に、大統領選で共和党の候補指名を確実にしたトランプ氏との違いを際立たせたのは税制だ。同氏の経済政策の代名詞ともなった大型減税を「圧倒的に超富裕層や大企業に利益をもたらし、財政赤字を膨張させた」と批判。「大企業と富裕層に応分の負担を引き受けさせることで、財政赤字を3兆ドル(約444兆円)削減する」と訴えた。
 バイデン氏がてこ入れを図るのが、コロナ後の好調経済の実感が乏しいとされる勤労世帯だ。演説では、子供の貧困率押し下げを期待できる児童税額控除拡大のほか、幼児教育の普及、住宅ローンの負担軽減などを進める考えを表明した。
 バイデン氏は「中間層がいよいよ成功の機会を得て、富裕層がとうとう応分の税を支払わなければならない未来が見える」と強調。繁栄が公平に行き渡るようにすることを誓った。 

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