日中関係、異例の「言及なし」=途上国重視鮮明に―王外相 2024年03月07日 19時46分

7日、北京で記者会見する中国の王毅共産党政治局員兼外相(AFP時事)
7日、北京で記者会見する中国の王毅共産党政治局員兼外相(AFP時事)

 【北京時事】中国の王毅共産党政治局員兼外相は7日の記者会見で、米国への対抗軸として新興・途上国「グローバルサウス」を重視する習近平政権の方針を鮮明にした。一方、低迷する日中の2国間関係には言及しなかった。日本メディアへの異例の冷遇ぶりから、外交政策における現在の優先順位が浮き彫りになった。
 「中国はグローバルサウスの確固たる一員だ」。王氏は約1時間半の会見中、国内外メディアの21の質問に答えた。昨年の会見で14問に回答した秦剛外相(当時)と比べて多いが、例年と異なり、会見場に詰め掛けた日本の報道機関は一切指名されなかった。
 外国メディアで最初に質問の機会を与えられたのはロシアの通信社で、中ロの蜜月ぶりを印象付けた。中国がロシア産の資源購入によってウクライナ侵攻を経済面で支えているとの米欧の批判をよそに、王氏は「ロシアの天然ガスが中国の多くの家庭に行き渡っている」と強調した。
 台湾問題などでは語気を強めた王氏だが、会見の終盤では記者の質問に冗談を交えて切り返し、会場の笑いを誘う場面もあった。 

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