見通せない休戦合意=双方内部に意見の相違―イスラエルとハマス 2024年02月06日 18時19分

イスラエルのネタニヤフ首相=1月7日、テルアビブ(EPA時事)
イスラエルのネタニヤフ首相=1月7日、テルアビブ(EPA時事)

 【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘で、双方が戦闘休止で合意するか見通せない状況が続いている。ハマス側は「恒久停戦」を求める姿勢を示してきたが、イスラエル側は拒否する構え。双方の間に深い溝がある上、それぞれが内部に意見の相違を抱えていることも合意への道筋を複雑にしているようだ。
 戦闘休止案の基本的枠組みは3段階で構成され、戦闘休止期間中にハマスがガザで拘束する人質を解放し、イスラエル側では収監するパレスチナ囚人を釈放する。期間や囚人の人数などに関してはさまざまな報道が出ている。
 ハマスは枠組み自体は拒否しないとみられ、戦闘の完全終結とイスラエル軍のガザ撤退を求める姿勢をたびたび表明。早期の幕引きで「戦後」の体制維持を図っているとみられるが、イスラエルのネタニヤフ首相はこれを拒否。「目標はハマスに対する完全勝利だ」としている。
 ハマスは4日、戦闘休止案について正式に回答すると報じられたが、実現しなかった。イスラエル紙ハーレツは、ハマスの指導部内に意見の相違があるためだと伝えた。
 ガザの指導部は恒久停戦にこだわらず、一時的な戦闘休止でも受け入れる方針。その後の戦闘再開も視野に入れているもようだ。ガザの指導部は「4カ月間にわたり兵士は強さを保っており、今後も(戦闘)能力があるという証拠だ」と自信を見せているほか、休止期間を「態勢を立て直す機会と捉えている」とも報じられた。これに対し、在外の指導部は、イスラエルが戦闘を再開しない保証を得たい考えだという。
 一方、イスラエル側でも、ネタニヤフ政権内でハマスへの譲歩に関し意見の相違があり、パレスチナに強硬な極右政党は、「無謀な取引」の場合に連立を離脱すると示唆。複数の閣僚が戦闘休止案に反対したと報じられており、ハマスとの交渉がまとまるかは不透明だ。 

海外経済ニュース