支持率首位、AIアバターも貢献?=国防相がイメチェン―インドネシア大統領選 2024年02月02日 14時28分

インドネシア大統領選に立候補しているプラボウォ国防相(左)と、副大統領候補のギブラン氏の選挙用AIアバター(ギブラン氏のSNSから・時事)
インドネシア大統領選に立候補しているプラボウォ国防相(左)と、副大統領候補のギブラン氏の選挙用AIアバター(ギブラン氏のSNSから・時事)

 【ジャカルタ時事】14日に予定されるインドネシア大統領選に向けた世論調査で、プラボウォ国防相(72)=グリンドラ党党首=らの正副大統領候補ペアが他の2組を抑えて1位を維持し、支持率も50%を超えることが多くなっている。背景を探ると、人工知能(AI)で作成されたアバター(分身)が「親しみやすさ」を演出し、貢献している面もあるようだ。
 プラボウォ氏は、陸軍特殊部隊や戦略予備軍の司令官などを歴任し、国内では「こわもて」として知られる。1997年のアジア通貨危機からスハルト政権が崩壊する98年にかけて、反政府活動家らの拉致・監禁などさまざまな人権侵害に関与した疑いが指摘される。
 プラボウォ氏の陣営がイメージチェンジを図るために活用するのが、AIアバターだ。首都ジャカルタの大通り沿いの大型ビジョンには、プラボウォ氏と、ペアを組む副大統領候補のギブラン中ジャワ州ソロ(スラカルタ)市長(36)のアバターが頻繁に登場。若者の間で「グモイ!(『かわいい』を意味する俗語)」「投票したい!」と話題になっている。
 プラボウォ氏は、今も高い人気を誇るジョコ大統領の路線を継承すると表明。ジョコ氏の長男のギブラン氏を副大統領候補に据えていることもあるが、「人の良さそうなおじいちゃんと、イケメンの息子」が仲良く寄り添う姿が、支持率アップに結び付いていることは間違いなさそうだ。
 一方、司法関係者の間では、有権者に誤った判断をさせかねないとして、選挙でのAI使用を法律で規制すべきだという意見もある。
 大統領選は、14日の投票で過半数を得るなどの条件を満たす候補がいなければ、6月に上位2候補による決選投票が行われる。 

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インドネシア大統領選候補のプラボウォ国防相(左)と副大統領候補のギブラン中ジャワ州ソロ(スラカルタ)市長=2023年12月、ジャカルタ
インドネシア大統領選候補のプラボウォ国防相(左)と副大統領候補のギブラン中ジャワ州ソロ(スラカルタ)市長=2023年12月、ジャカルタ

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