ハマス、戦闘休止案に慎重姿勢も=「コンセンサスまだ」と関係筋 2024年02月02日 14時18分

1日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファに向かう避難民の車(EPA時事)
1日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファに向かう避難民の車(EPA時事)

 【カイロ時事】米国やイスラエルなどが一致したパレスチナ自治区ガザの戦闘休止案を巡り、イスラム組織ハマスの政治部門顧問は1日、受け取った案の内容を精査中で、まだ回答していないと明らかにした。ロイター通信が報じた。ハマス側は同意する条件としてガザでの「恒久停戦」を求めているもようで、慎重姿勢を依然崩していないとみられる。
 戦闘休止案は1月下旬、米国とイスラエルに加え、仲介役のエジプト、カタールがパリで開いた4者協議で一致し、ハマス側に提示された。ロイターによれば、パレスチナ当局者はハマスがあからさまに拒否することはなさそうだと指摘。ただ、戦闘が再開しないという保証を求めるだろうと述べた。
 AFP通信によると、交渉を巡っては、カタール外務省報道官が1日、「ハマス側から最初の肯定的な確認を得た」と語り、楽観的な見方が出ている。だが、ハマスに近い関係筋はAFPの取材に「カタールの言い分は性急で、真実でない」と指摘。ハマスとして提案へのコンセンサスはできていないと説明した。
 一方、イスラエルのガラント国防相は1日、声明を発表。最近大規模な地上作戦を展開した南部ハンユニスに関し、「任務を達成しつつある。(対エジプト境界の)ラファに到達し、われわれを脅かすテロ分子を根絶する」と強調した。
 しかし、ラファには北部などから逃れてきた避難民が大勢おり、イスラエルが軍事作戦を強化すれば民間人犠牲者の増加は避けられない。ガザ保健当局の1日の発表では、ガザでの死者数は累計で2万7000人を超えた。 

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