変動幅の大きい展開続く
日東フィナンシャルグループ代表取締役・中島肇氏 2024年05月08日 14時23分

 株式市場は、国内外の景気状況をにらみながら変動幅の大きい展開が続きそうだ。日経平均株価は当面、3万4000~3万9000円のレンジ内で推移するだろう。
 4月の米雇用統計は市場予想を下回り、早期の利下げ観測が再燃したが、米金融当局は雇用統計よりも消費者物価指数の動向を重要視する傾向があり、予断を許さない状態が続こう。米景気の腰は強くインフレ沈静化には時間がかかるだろう。このため、米金利は高止まりし、日米金利差が大きく縮小するとは考えにくく、円安傾向は変わらない。
 国内では大企業の業績は良好なものが目立つが、中小企業の業績は大きくは回復していない。円安進行に伴い輸入物価の上昇、食品やサービス、電気・ガスなど幅広い分野で値上げの動きが広がっており、個人消費に陰りが出始めることも想定される。日米景気の行方に一喜一憂しながらの動きが続きそうだ。

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