高値圏でもみ合い
レオス・キャピタルワークス経済調査室長・三宅一弘氏 2024年05月07日 14時22分

 株式市場は米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げの期待後退や中東情勢の緊迫化を受け、調整が続いた。日経平均株価は次第に回復基調に転じるだろうが、7月にかけては3万7000~4万1000円の高値圏でもみ合いそうだ。
 米国経済は物価こそ下げ渋っているものの、低失業率や移民増に伴う潜在成長率の向上もあり、おおむね適温状態だ。世界景気も堅調で、米利下げ開始までは円安基調が続き、外需企業の多くは業績予想を上方修正する可能性がある。
 国内で賃金・物価が連動して上昇する経済の好循環が回り出せば、内需企業の環境も改善し、幅広い銘柄が買われやすくなる。
 ただ、過度な円安は原材料高を通じて内需企業の業績を抑え、中小型銘柄の株価停滞を招きやすい。投資家の物色が外需銘柄以外にも広がるには、米利下げが現実味を帯び、円安がある程度是正されることが必要だろう。

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