〔NY外為〕円、149円台半ば(30日) 2025年07月31日 06時35分
【ニューヨーク時事】30日のニューヨーク外国為替市場では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を背景とした米長期金利の上昇を眺めて、円売り・ドル買いが広がり、円相場は1ドル=149円台半ばに下落した。午後5時現在は149円47~57銭と、前日同時刻(148円43~53銭)比1円04銭の大幅な円安・ドル高。
米商務省が朝方発表した4~6月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比3.0%増加した。前期の0.5%減から急回復し、2期ぶりにプラス成長となった。市場予想(2.4%増)も上回った。米景気の堅調さを示唆する内容だったことに加え、これに先立ち発表された雇用関連指標が強めの内容だったことも背景に円売り・ドル買いが進んだ。
一方、FRBは30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、5会合連続で政策金利の据え置きを決定した。FOMC声明では「最近の指標を踏まえれば経済活動の伸びは今年前半、緩やかになった」と指摘。ボウマン副議長(金融規制担当)とウォラー理事の2人が0.25%の利下げを支持し、反対票を投じたことも分かった。一方、パウエルFRB議長は会合後の記者会見で、9月の次回会合での利下げの可能性を問われ、「9月会合については何も決めていない」と発言。また、FOMCの大半のメンバーが、インフレが目標を若干上回る一方、雇用最大化の目標は達成しており、「小幅に景気抑制的」な政策スタンスを求めたと明らかにした。これを背景に利下げ期待が幾分後退し、長期金利が一段と上昇。取引終盤にかけて、円は下げ幅を拡大した。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1399~1409ドル(前日午後5時は1.1539~1549ドル)、対円では同170円54~64銭(同171円36~46銭)と、82銭の円高・ユーロ安。