〔米株式〕NYダウ反発、78ドル高=ナスダックは一時最高値(31日午前) 2025年07月31日 23時39分
【ニューヨーク時事】31日午前のニューヨーク株式相場は、この日発表された米個人消費支出(PCE)物価統計でインフレ圧力の根強さが示される中、米マイクロソフトの好決算を受けて反発している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時10分現在、前日終値比78.08ドル高の4万4539.36ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は一時取引時間中の最高値を更新し、同時刻現在は276.77ポイント高の2万1406.44で推移している。
2025年4~6月期の米企業決算シーズンが本格化する中、超大型7銘柄「マグニフィセント・セブン」のうちマイクロソフト、メタ(旧フェイスブック)の2社が前日引け後に業績を発表。マイクロソフトの四半期決算は、クラウド事業の力強い成長を追い風に前年同期比で2桁の増収増益となり、いずれも四半期としての過去最高を更新。増収増益は10四半期連続となった。好決算をはやしてマイクロソフト株は31日早朝の時間外取引から買いが先行し、同社の時価総額は一時4兆ドル(約600兆円)を突破。時価総額4兆ドルの大台乗せは、米半導体大手エヌビディアに続き2社目となった。メタも前日引け後発表の決算では、主力の広告事業が好調で36%の増益を記録。人工知能(AI)ブームによる好決算を背景にダウ、ナスダックともに買い先行で始まった。
一方、米商務省が朝方発表した6月の米PCE物価指数は、前年同月比2.6%上昇(前月2.4%上昇)と、伸び率は2カ月連続で拡大。市場予想(2.5%上昇=ロイター通信調べ)も上回った。変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数の上昇率は前月と同水準の2.8%。両指数ともに米連邦準備制度理事会(FRB)の目標物価である2%を依然として上回った。トランプ政権の高関税政策の影響が物価に表れ始めたとの見方が出たが、いまのところ市場への影響は限定的となっている。
個別銘柄では、マイクロソフトが5%超高となり、ダウ平均の上げを先導。メタは11%超高と、急伸している。一方、ユナイテッドヘルス・グループは3%超安。