〔NY石油〕WTI3日続伸、70.00ドル=1カ月ぶり高値(30日) 2025年07月31日 05時10分

 【ニューヨーク時事】30日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米政権によるロシア経済制裁への警戒感が広がる中、3日続伸した。米国産標準油種WTI9月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.79ドル(1.14%)高の1バレル=70.00ドルと、中心限月の清算値ベースで6月下旬以来、約1カ月ぶりの高値水準。10月物は0.65ドル高の68.93ドルだった。
 トランプ米大統領は29日、ウクライナを侵攻するロシアに経済制裁を発動するかどうかを判断する時期について「10日後」と明言した。トランプ氏は先にロシアの貿易相手国に税率100%の「2次関税」を課す考えに言及。この日はインドに8月1日発動で、25%の関税を課すと表明した上、同国がロシア産原油を輸入していることを非難し、税率をさらに上乗せする可能性を示唆した。
 米商務省が30日発表した2025年4~6月期の米実質GDP(国内総生産)は前期比3.0%増(市場予想2.4%増)と、伸び率は前期の0.5%減から急回復。米経済の底堅さも相場の支援要因となったもよう。
 一方、米エネルギー情報局(EIA)が午前公表した在庫週報は強弱まちまちの内容となり、市場への影響は限定的だった。25日までの1週間の米原油在庫は前週比770万バレル増と、市場予想(130万バレル減=ロイター通信調査)に反する大幅な積み増し。一方、ガソリン在庫は270万バレル減と、減少幅は市場予想(60万バレル減)を上回った。ディスティレート(留出油)在庫は、30万バレルの積み増し予想に対して、360万バレル増となった。
 米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日午後の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を5会合連続で年4.25~4.50%に据え置くことを決定した。市場は金利据え置きをほぼ織り込んでいたため、結果発表後の反応は鈍かった。
 ▽ガソリン=3日続伸。中心限月8月物の清算値は5.07セント高の1ガロン=226.91セント。
 ▽ヒーティングオイル=3営業日ぶりに反落。8月物の清算値は4.53セント安の1ガロン=241.85セント。

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