〔外為・今日の材料〕ドル円、底堅い=堅調な米雇用統計が支援要因(9日) 2025年06月09日 07時57分
9日の東京外国為替市場のドルの対円相場は、前週末の海外市場で買いが優勢となった流れを受け、1ドル=144円台後半で底堅い展開が見込まれる。前週末に発表された米雇用統計が堅調な内容だったことが支援要因。ただ、上昇ピッチが速かったこともあり、上げ余地は限られよう。予想レンジは144円30~145円00銭。
前週末の海外市場では、欧州時間は144円10銭台を軸にもみ合った。米国時間の序盤は米雇用統計が堅調な内容となったことから買いが強まり、中盤には一時145円10銭近くまで上値を切り上げた。終盤は買い一服となり、144円80銭台に伸び悩んだ。週明け東京時間の早朝は144円60銭台へと小幅に下げている。
5月の米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比13万9000人増となった。伸びは4月(14万7000人増)からやや鈍化したものの、市場予想(13万人増)とおおむね一致した。市場では「先週のADP全米雇用報告が弱かったことから雇用統計も弱くなるとの見方に傾いていたこともあり、市場予想とほぼ一致した結果は安心感をもたらした」(FX業者)とされ、米金融市場は総じてリスク選好的なムードとなった。
本日の東京時間は、前週末に上昇した流れを受け継ぎ、「144円台後半を軸に底堅い」(同)とみられる。ただ、米雇用統計後の上昇ペースがやや速かった反動もあり、「戻り売りも出やすい」(大手邦銀)という。また、米雇用統計通過に伴う材料一巡感もあり、「いったんは上昇一服となる可能性もある」(同)との声も聞かれる。
本日は、東京時間は1~3月期のGDP改定値、5月の中国消費者物価・卸売物価、5月の中国貿易統計、欧米時間は4月の米卸売売上高が予定される。