豪総選挙、住宅不足の解消策競う=現政権、外国人の購入を2年禁止 2025年04月19日 05時34分

オーストラリア・シドニー郊外で進む住宅工事の様子=2月20日(AFP時事)
オーストラリア・シドニー郊外で進む住宅工事の様子=2月20日(AFP時事)

 【シドニー時事】オーストラリア総選挙(5月3日投票)で、深刻な住宅不足をどう解消するかが争点の一つに浮上している。与野党は供給拡大や購入者への支援策をそれぞれ掲げて競い合う。労働党政権は4月から2年間、外国人による住宅購入を禁止する措置を断行。これに対し、野党・保守連合は移民受け入れの大幅削減に踏み込むよう訴えている。
 豪州では、コロナ禍収束後に移民の流入が増えて住宅が不足し、インフレで価格も高騰した。不動産情報サービス大手コアロジックによると、3月末時点の全国の住宅価格の中央値は約89万豪ドル(約8100万円)。
 アルバニージー首相(労働党党首)は「自国民が家を持つことが優先だ」と強調。外国人による投資目的の購入を時限的に禁止し、真に住居を求める国民のために数量確保を目指す。さらに、初めて住宅を購入する人向けに今後8年間で10万戸を建設する計画を発表。5%の頭金で住宅ローンを組める制度の人数枠や所得制限を撤廃することも公約した。
 一方、保守連合は初めての購入者が組む住宅ローンの利子相当分を5年間、課税所得から控除する案を打ち出した。また、同連合を率いるダットン自由党党首は「今の住宅危機は労働党の移民政策が招いた」と批判し、年間26万人の移民純増数を16万人に減らすよう提案している。ただ、建設業界からは「移民を減らせば貴重な労働力が失われ、住宅工事に支障が出かねない」と懸念する声も上がっている。 

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