〔NY外為〕円、143円台前半(15日) 2025年04月16日 06時25分

 【ニューヨーク時事】15日のニューヨーク外国為替市場では、米関税政策を巡る混乱への警戒感から神経質な商いとなり、円相場は1ドル=143円台前半で小動きに推移した。午後5時現在は143円22~32銭と、前日同時刻(143円01~11銭)比21銭の円安・ドル高。
 朝方発表された4月のニューヨーク州製造業景況指数はマイナス8.1と、前月(マイナス20.0)から幾分持ち直した。これを受け、米政権が打ち出した一連の関税政策に起因する景気下振れを見込んだ米資産売りが鈍り、この日は米長期金利が低下し、対主要通貨でのドル買い戻しが進行。142円台後半のレンジでは、円の上値が重くなった。
 今週は、米相互関税の対象から一部電子製品が除外されたことや、トランプ大統領が自動車・同部品に課した25%の追加関税免除の可能性に言及したことを受け、金融市場のボラティリティーはひとまず沈静化。しかし、米政権は14日、半導体・同製造装置や医薬品に関する安全保障上の調査を始めたと発表し、分野別の追加関税拡大への懸念がくすぶっている。また、貿易摩擦が激化している中国との間でも歩み寄りの姿勢が見られず、安全資産としての需要から円は終盤にかけて底堅く推移した。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1275~1285ドル(前日午後5時は1.1343~1353ドル)、対円では同161円58~68銭(同162円37~47銭)と、79銭の円高・ユーロ安。

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