〔NY石油〕WTI3日ぶり反落、61.33ドル(15日) 2025年04月16日 04時56分

 【ニューヨーク時事】15日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米関税政策の動向が注視される中、米中貿易戦争の激化による需要減速への警戒感が重しとなり、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物は前日清算値(終値に相当)比0.20ドル(0.33%)安の1バレル=61.33ドル。6月物は0.30ドル安の60.75ドル。
 国際エネルギー機関(IEA)は15日、2025年の世界石油需要の伸び見通しを日量73万バレルと、従来予想(同103万バレル)から下方修正した。26年については69万バレルにとどまると予想。石油輸出国機構(OPEC)は前日公表した月報で、25年の世界の石油需要予想を前年比で日量130万バレル増(前月予想は同145万バレル増)と、昨年12月以来、4カ月ぶりに引き下げていた。IEA、OPECともに相互関税を巡り米中の貿易摩擦激化や米国が本格的なリセッション(景気後退)入りするなどの可能性を想定したという。これを受けて、原油相場は朝方、ドルの軟化や株の堅調地合いを受け買いが優勢となる場面もあったが、あと小幅マイナス圏に沈んだ。
 金融数社が価格見通しを引き下げたことも相場を下押し。JPモルガン・チェースは14日、OPEC主導の増産や需要減少を理由に、今年と来年の原油価格見通しをそれぞれ62ドル(従来は69ドル)、53ドル(同57ドル)に下方修正した。
 市場が注目する材料は、米官民が15日夕、16日午前に発表する在庫週報。市場予想(ロイター通信調査、15日公表)によると、11日までの1週間の米原油在庫は前週比50万バレル増と小幅な積み増しが見込まれている。ガソリンおよびディスティレート(留出油)在庫はそれぞれ160万バレル減、120万バレル減と予想されている。
 ▽ガソリン=3営業日続伸。中心限月5月物の清算値は0.22セント高の1ガロン=202.44セント。
 ▽ヒーティングオイル=3営業日ぶりに反落。5月物の清算値は1.33セント安の1ガロン=207.84セント。

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