〔NY金〕反発、3240.40ドル(15日) 2025年04月16日 04時20分
【ニューヨーク時事】15日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米政権による関税政策の不透明感が根強い中を買われ、反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比14.10ドル(0.44%)高の1オンス=3240.40ドル。
ブルームバーグ通信は15日、関係者の話として、中国政府が国内航空各社に米ボーイングの航空機を受け取らないよう命じたと報道した。米関税政策をめぐる先行き不透明感が根強い中で、米中貿易戦争激化の警戒感が台頭し、安全資産としての金が引き続き買われた。前日の下落を受け、安値を狙った買いも入った。
UBSのストラテジストが11日付のリポートで、地政学的リスクやインフレ再燃への警戒などを背景に今年12月までに3500ドルに達するとの見通しを示したほか、ロイター通信によると、ゴールドマン・サックスも今年の金価格見通しを従来予想の3300ドルから3700ドルに引き上げており、市場関係者の間では相場の先高観が強まっている。
この日外国為替市場ではドル買い・ユーロ売りが優勢。ただ、ドルは依然として対ユーロで約3年ぶりの安値圏で推移しており、米関税政策をめぐる不確実性から一段のドル安を見込む向きも少なくない。ドル建てで取引される金塊は、ドルの下落局面では割安感から買いが入りやすい。
米ニューヨーク連銀が15日発表した4月のニューヨーク州製造業景況指数は総合でマイナス8.1となり、前月のマイナス20.0から上昇、市場予想も上回ったが、金塊相場の反応は限定的だった。