〔NY金〕3日続伸、2690.80ドル=1カ月ぶり高値(9日) 2025年01月10日 04時58分

 【ニューヨーク時事】9日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、投資家のリスク回避姿勢が強まる中、安全資産としての金需要が膨らみ、3日続伸した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比18.40ドル(0.69%)高の1オンス=2690.80ドル。これは中心限月の清算値ベースで昨年12月中旬以来、1カ月ぶりの高値水準。
 トランプ次期米大統領の政策を巡り、景気やインフレへの影響が警戒される中、安全資産としての金需要が活発化。米長期金利の上昇基調やドルの先高観を背景に利子が付かずドル建てで取引される金の投資妙味は薄いものの、投資家はリスク回避手段として金の買いを優先したもようだ。相場は一時2700ドル目前まで上昇。あと利益確定の売りが出る場面もあったが、終日プラス圏を維持した。
 米CNNテレビは8日、トランプ次期大統領が、輸入品の一律関税導入に向け、「国家経済緊急事態」を宣言することを検討していると報じた。市場では、トランプ氏の就任式を20日に控え、今後の米国経済やインフレを巡る不確実性への警戒感が広がっている。目先の材料としては、翌10日発表される昨年12月の米雇用統計に注目が集まっている。
 この日は、カーター元米大統領の国葬に伴い、米株式市場は休場。債券市場は短縮取引だった。

前日からの主な出来事