米エヌビディア、時価4兆ドル突破=世界初、AI成長に期待 2025年07月10日 09時57分

【シリコンバレー時事】米半導体大手エヌビディアの時価総額が9日、ニューヨーク株式市場で一時4兆ドル(約585兆円)を突破した。4兆ドルの大台に乗った企業は世界初。人工知能(AI)投資ブームが続く中、高性能なAI半導体市場で独走する同社への成長期待を反映した。
米メディアによれば、エヌビディア以前に最高の時価総額を記録したのは米アップルで、昨年12月に約3兆9000億ドルに達した。エヌビディアの9日の株価は一時、前日終値比約3%高の164ドル台と最高値を更新。終値は同1.8%高の162.88ドルだった。
エヌビディアの成長の原動力はデータセンター向けのAI半導体。2022年11月に米オープンAIが公開した「チャットGPT」による生成AIの急拡大を背景に、時価総額は23年5月に1兆ドルを突破。米巨大IT企業が相次いでAI投資を増やす中、2年強で約4倍に膨らんだ。
ただ、今年1月には中国の新興AI企業ディープシーク(深度求索)が、エヌビディアの最新半導体を使っていないとされる高性能な生成AI基盤モデル「R1」を発表した後、株価が一時暴落した。IT各社が新技術開発にしのぎを削っており、エヌビディアの競争環境は厳しさを増している。