〔東京外為〕ドル、144円台前半=弱めの米CPIなどで下落(12日午前9時) 2025年06月12日 09時03分

 12日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日発表された5月の米消費者物価(CPI)が弱めとなったことで売りが強まり、1ドル=144円台前半に下落している。午前9時現在、144円18~19銭と前日(午後5時、145円12~13銭)比94銭のドル安・円高。
 前日の海外市場では、欧州時間の序盤はいったん緩んだ後は買い戻され、米国時間の序盤には145円40銭台まで上値を切り上げた。その後は米CPIが弱い結果となり、一気に144円30銭前後に急落。中盤は145円台を回復する場面もあったが、終盤は再び売り優勢となり、144円50銭台に反落した。
 東京早朝は改めて売りが強まり、144円20銭台に軟化している。市場では「トランプ大統領が各国との貿易交渉を完了させる期限について、『延長しても構わないが、その必要性はない』と発言したことが伝えられ、やや売りが強まった」(為替ブローカー)とみられている。
 前日の米CPI発表前の水準(145円40銭台)から大幅に下がった後でもあり、「一段の下げ余地は限られる」(大手邦銀)と指摘もあった。ただ、弱い米CPIのほか、米政府が在イラク大使館の部分的な退避準備に入ったと一部で報じられ、「中東情勢への懸念が強まるなど、目先はドルの圧迫要因が増えたこともあり、いったんは下値模索の状況になるのではないか」(先のブローカー)との声が聞かれる。
 ユーロは対円、対ドルで上昇。弱い米CPIを受けて、ユーロドルの上昇が顕著となった。午前9時現在、1ユーロ=165円94~96銭(前日午後5時、165円72~74銭)、対ドルでは1.1506~1512ドル(同1.1419~1419ドル)。

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