〔東京外為〕ドル、一時145円台前半=株高などで水準切り上げ(10日正午) 2025年06月10日 12時04分

 10日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、株高などに支援され、1ドル=145円前後に水準を切り上げている。一時は145円20銭台まで上値を切り上げたが、正午にかけてはやや伸び悩んでいる。正午現在、144円92~93銭と前日(午後5時、144円12~14銭)比80銭のドル高・円安。
 前日の海外市場で、欧州時間は東京時間終盤に売られた反動から買い戻され、米国時間の序盤には144円70銭台まで浮上した。ただ、同水準では戻り売りに押され、中盤には144円30銭前後に反落。終盤は144円50銭台に持ち直した。
 東京早朝も144円50銭台でもみ合った。午前9時以降、いったん小緩んだものの、実需筋の買いが入ったほか、日経平均株価の上昇を背景に「リスク選好的な買いが強まった」(為替ブローカー)とされ、午前11時前後には145円20銭台まで上値を伸ばした。正午にかけては戻り売りでやや伸び悩んでいる。
 日経平均は米中貿易協議の進展期待から上昇基調を強め、これに伴ってドル円も上値を追う展開だった。この過程では「ストップロスの買いも入り、ドル円の上昇ピッチがやや速まる格好になった」(大手邦銀)と指摘される。このほか、植田日銀総裁が国会答弁で「基調的物価上昇率はまだ2%まで距離がある」と述べたこともドル円の支援要因になったとみられる。市場では「145円台に定着するには新たな材料が必要ではないか」(同)との声も聞かれる。
 ユーロは午前9時以降、対円で小高い。対ドルは軟化。正午現在、1ユーロ=165円20~21銭(前日午後5時、164円62~65銭)、対ドルでは1.1398~1399ドル(同1.1423~1423ドル)。

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