〔NY金〕反発、3399.20ドル(4日) 2025年06月05日 03時45分
【ニューヨーク時事】4日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、軟調な米経済指標と雇用関連指標を受けた米長期金利の低下や対ユーロでのドル安を背景に、反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比22.10ドル(0.65%)高の1オンス=3399.20ドル。
米民間雇用サービス会社ADPが朝方発表した5月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)は、前月比3万7000人増となった。市場予想(11万人増=ロイター通信調べ)を大きく下回った。米サプライ管理協会(ISM)が発表した5月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)は49.9となり、前月から1.7ポイント低下。市場予想(52.0=ロイター通信調べ)を下回った。サービス業の景況拡大と縮小の分岐点である50を割り込むのは昨年6月以来、11カ月ぶり。これらの指標発表後、雇用情勢と景気の軟化傾向が示されたと受け止める向きもあり、米長期金利が低下。対ユーロでドルが下落し、金利を生まずドル建てで取引される金塊は買いが優勢となった。
トランプ米政権は4日、鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税を従来の25%から50%へ2倍に引き上げた。鋼材を使用する自動車など国内の関連産業がコスト増に直面するのは回避できないとみられており、景気に及ぼす影響に懸念が広がる中、安全資産としての金買いも入りやすかったもよう。一方、トランプ大統領は同日、SNSへの投稿で、中国の習近平国家主席について言及。「好感を抱いている」とした上で「非常にタフで、ディール(取引)を成立させるのは極めて困難」と述べた。
市場の関心は、6日に発表される5月の米雇用統計に向かっている。