〔東京外為〕ドル、142円台後半=日米財務相会合を無難通過(25日午前9時) 2025年04月25日 09時38分
25日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日米財務相会合を無難に通過したなどから、1ドル=142円台後半に上昇した。午前9時は、142円84~86銭と前日(午後5時、142円58~58銭)比26銭のドル高・円安。
24日の欧州時間は、中国が米国との貿易戦争も辞さない構えを示したことから売りが先行し、142円20銭台に下落した。米国時間序盤も同水準で推移。中盤はトランプ米大統領が中国と会談していると語ったことが伝わったほか、主要株価指数の上昇などを受けて買いが強まり、142円80銭台へ上昇した。終盤は、日米財務相会談を控える中、142円40銭台から70銭台へ水準を切り上げた。
25日の東京早朝も同レベルで推移。加藤財務相がベセント米財務長官との会談で、「為替の水準や管理の話はなかった」ことを明らかにした。ベセント氏23日、日本との為替に関する協議で「為替の目標水準」を取り上げないと明言していたため、市場への影響は限定的だった。植田日銀総裁が「(物価)見通し実現がどう変わるのか、予断を持たず判断する」と述べたが、反応は乏しかった。日米財務相会談を波乱なく通過したが、トランプ大統領の関税政策を巡る先行き不透明感は根強く、ドル円は上値の重い地合いが続いている。市場関係者は「143円に戻しきれていないのは、ドルの信認が回復していないため」(外為仲介業者)と話す。東京市場は五・十日のため、仲値公示にかけて実需のフロー膨らむ可能性がある。実需の売買一巡後、新規の材料が乏しいほか、週末のため方向感は出にくいと予想される。関税を巡る2回目の日米交渉を来週に控えていることも、投資家の見送りムードを強めるもよう。ユーロは対円で上昇、対ドルで下落。午前9時は、1ユーロ=162円47~48銭(前日午後5時、162円24~27銭)、対ドルでは1.1371~1372ドル(同1.1379~1380ドル)。