〔NY石油〕WTI反発、61.50ドル=週間では0.79%安(11日) 2025年04月12日 04時50分

 【ニューヨーク時事】週末11日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米関税政策を巡る不確実性を嫌気した売りが一服し、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.43ドル(2.38%)高の1バレル=61.50ドル。週間では0.79%下落した。6月物は1.27ドル高の60.90ドルだった。
 中国政府は11日、米政権が導入した145%の高関税への報復措置として、対米輸入関税率を125%に引き上げると発表した。12日から発動する。二大経済大国である米中の貿易戦争激化により、総取引量の減少や物流ルートの混乱が生じ、世界経済やエネルギー商品需要が鈍化するとの懸念が持続。朝方の相場は一時60ドル割れの水準で軟調に推移した。
 通商摩擦を理由に、米エネルギー情報局(EIA)は10日公表の短期エネルギー見通しで、今年と来年の世界の石油需要の伸び予測を下方修正。また、11日午前には米消費者景況感の一段の悪化も確認された。しかし、今月2日の米相互関税の発表以降、金融市場では不確実性リスクを織り込む動きが急ピッチで進行。今週発表された3月の米物価指標が足元のインフレ沈静化を示したことも投資家の警戒感を和らげ、午後にかけてまとまった買いが入り、相場は大きく持ち直した。
 ▽ガソリン=反発。中心限月5月物の清算値は3.78セント高の1ガロン=199.91セント。
 ▽ヒーティングオイル=反発。5月物の清算値は1.89セント高の1ガロン=206.53セント。

市況・概況