〔東京外為〕ドル、155円台前半=米関税導入見送りで下落(21日午前9時) 2025年01月21日 09時03分
21日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、就任したトランプ大統領が新たな関税の初日実施を見送ったことで売りが強まり、1ドル=155円台前半に下落している。午前9時現在、155円28~29銭と前日(午後5時、155円98~156円00銭)比70銭のドル安・円高。
前日の海外市場では、欧州時間は156円前後から156円台半ばに上昇した後、米国時間に反落した。米国時間はキング牧師誕生日による休場で取引が薄い中、トランプ大統領は新たな関税の即日実施を見送る、との一部報道で全般的なドル売りが強まった。ドル円は中盤に155円40銭前後に急落。終盤は155円60銭前後で推移した。
東京時間の早朝はやや売りが優勢となっている。トランプ大統領は就任演説で、外国に関税を課す、と述べるにとどまった。初日から高い関税を課すことへの警戒感が強かったが、一部報道を契機に「関税引き上げによるインフレ圧力が高まるとの懸念はいったん後退。ドル買いポジションの広範な巻き戻しが広がった」(FX業者)とされ、ドル円は一気に下値模索となった。
また、トランプ大統領の就任演説に関して「大きなサプライズはなく、無難に通過した」(大手邦銀)こともあり、「日銀は利上げに動きやすくなったのではないか」(同)とされる。日銀利上げはおおむね織り込み済みながらも「ドル円の上値は重く、なお売られやすいのではないか」(為替ブローカー)との声が聞かれる。
ユーロは対円、対ドルで上昇。午前9時現在、1ユーロ=161円81~85銭(前日午後5時、160円92~93銭)、対ドルでは1.0420~0421ドル(同1.0316~0317ドル)。