年内の利下げ観測、不透明感増す=FOMC経済見通し・FF金利予想 2024年03月22日 13時18分

[ゴールデンチャート社] 2024年3月22日

 米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月20日、フェデラルファンド金利(FF金利)を5.25~5.50%に据え置く決定をしました。5会合連続の据え置きとなります。同日、FOMC参加メンバーが提示した「経済・政策金利見通し」を公表しました。

 この見通しによると、米国経済成長率の予測中央値は12月時点から大幅に増え、2024年年末時点の予測値は、前回の1.4%から2.1%と大幅に上方修正されています。高金利が長期化する中、景気後退への懸念はほぼ払拭されています。一方、FF金利の予測中央値は、2024年年末時点で4.6%と前回と変わらず、2024年内に0.25%に換算して3回の利下げが見込まれる計算となっています。市場は年初から利下げ開始時期の前倒しと利下げ回数の増加を見込んできましたが、ここに来て元に戻ったようです。年初から月例で発表されるインフレ率は予想に反して低下せず、これが主な要因となっています。今後も消費者物価指数、PCE物価指数の発表を注視していく必要があります。

 FF金利予測のドットプロットは、長期的には従前どおりとなっていますが、2025年、2026年のプロットが縦長に分散化し、FOMC内での見解の相違が大きくなったと見られ、先行き不透明感が増加しています。



                     ※ FRB発表のProjection Materials からゴールデンチャート社が作表

(H・N)

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