高い金利水準が長期化する=FOMCの経済見通し・FF金利予想 2023年09月22日 12時10分

 米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月20日、利上げを見送り、フェデラルファンド金利(FF金利)を5.25~5.50%に据え置く決定をしました。この日、FRBはFOMCは委員会参加メンバーが提示した「経済・政策金利見通し」を公表しました。

 2023年の実質GDP成長率の予測中央値は2.1%と6月の予測から大幅に上方修正されています。米国経済は予想以上に好調で、懸念されていた景気後退は避けられるとの見通しとなっています。

 FF金利の予測中央値は2024年末には5.1%、2025年末には3.9%と6月の予測からそれぞれ0.5%上方修正されました。米国経済の好調さと労働市場の堅調さを背景に、年内にもう一回の利上げの可能性が高まり、2024年の利下げ開始時期が遅れるとともに、高い金利水準が2025年にかけて維持されることが予想されます。単純計算として利下げは2024年に2回、2025年に4回行われると予想されます。


 ※ FRB発表のProjection Materials からゴールデンチャート社が作表

 この予測が発表された後、日米の市場は大きく反応、米主要株価指数はこぞって下げ、21日の日本株も下落しました。米国債利回りは各タームで上昇、日米の金利差は更に拡大、ドル円は円安に振れ21日の夕方には148円台に突入しました。

(H・N)

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