【2024年6月13日~14日】総裁定例記者会見(一部抜粋・要約) 2024年06月17日 16時16分

総裁記者会見一部抜粋・要約(2024年6月14日)

1.今回の決定内容について

  • 無担保コールレート・オーバーナイト物を0~0.1%程度で推移するよう促す、という金融市場調節方針を維持することを、全員一致で決定
  • 次回決定会合までの長期国債およびCP・社債等の買入れについては、2024年3月の決定会合において決定した方針に沿って実施するが、その後は、金融市場において長期金利がより自由なかたちで形成されるよう、長期国債買入れを減額していく方針を賛成多数で決定
  • 今後、市場参加者の意見も確認し、次回金融政策決定会合において、今後1~2年程度の具体的な減額計画を決定するが、その際、国債買入れは、国債市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能なかたちで減額していくことが適切と考えている
  • また、先行きの国債買入れの運営について市場参加者の意見を伺うため、金融市場局が債券市場参加者会合を開催することとした

2.国内の経済・物価動向の現状と先行きについて

  • わが国の景気の現状は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復していると判断した。先行きについては、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えている。
  • 物価については、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているが、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続くもとで、足元は2%台前半となっている。先行きは、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、来年度にかけては、政府による経済対策の反動等が前年比を押し上げる方向に作用すると考えらる。
    この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想される。展望レポートの見通し期間後半には、物価安定の目標と概ね整合的な水準で推移すると考えている。

3.長期国債の買入れを減額するタイミング、減額のペースなどについて

  • 減額する以上、相応の規模となるというふうに考えているが、具体的な減額の幅やペース、減額の枠組みなどについて、市場参加者の意見も確認しながら、しっかりとした減額計画を作っていきたいと考えている
  • 金融市場局が開催する、債券市場参加者との会合を活用しつつ検討を進め、次回の会合において、今後1~2年程度の具体的な減額計画を決定し、速やかに減額を行う予定
  • 今後、国債買入れを減額していけば、日本銀行の国債保有残高は償還に伴い減少していくことになるが、国債買入れに伴う緩和効果、いわゆるストック効果は、引き続き相応に作用するとみている

4.減額計画において1、2 年という期間を設定された根拠について

  • 国債残高の大まかに5割を日本銀行が保有しているという状態ですので、長期的に望ましい状態にまで1、2年で到達できるというふうには思っていませんし、それから、その長期的に望ましい状態での、例えば日銀の負債側でいえば、超過準備の水準がどれくらいであるかという点に関しても、現状では確固たることはなかなか言いにくいということだと思っている
  • 先んじて量的引き締めに入っている他の中央銀行の経験をみても、なかなか最適な量の水準というのは決めがたい
  • という中でしかし、ある程度の予見可能性を減額するプロセスにおいて担保したいということから、まず1、2年間分について、スケジュールを大まかに示すことができないかという判断に至った


[ゴールデン・チャート社]

■関連リンク

FED&日銀ウォッチ

主要各国の金融政策スケジュール

■参考資料(外部サイト)

総裁記者会見要旨(2024年6月13日、14日開催分)(日本銀行)

金融政策決定会合の運営(日本銀行)