【2024年4月25日~26日】経済物価情勢の展望(要約) 2024年04月26日 15時57分

経済・物価情勢の展望(2024年4月26日)

 前回発表(2024年1月23日)との比較を中心に各項目ごとにまとめました。

1.経済・物価の現状


  • 鉱工業生産は、「横ばい圏内の動きとなっている」に「足元では減少している」が追記
  • 業況感は、「横ばい圏内の動きとなっている」から「良好な水準を維持している」へ
  • 個人消費は、「緩やかな増加を続けている」から「底堅く推移している」へ


2.経済・物価の見通し

(1)経済の見通し


  • 海外経済は、「回復ペースが鈍化」から「緩やかに成長」へ


(2)物価の見通し


  • 消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、「来年度にかけて、2%を上回る水準で推移」から「2024年度に2%台後半」へ


(3)政策委員の大勢見通し


※対前年度比
※政策委員見通しの中央値


■「経済・物価情勢の展望」(2024年4月)の基本的見解(概要)

  • 先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかに成長していくもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。
  • 物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、2024年度に2%台後半となったあと、2025年度および2026年度は、概ね2%程度で推移すると予想される。既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、2025年度にかけては、このところの原油価格上昇の影響や政府による経済対策の反動が前年比を押し上げる方向に作用すると考えられる。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。
  • 2025年度までの見通しを前回の見通しと比べると、成長率については、2023年度と2024 年度は、個人消費を中心に下振れているが、2025 年度は概ね不変である。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については、2024年度が上振れているが、2025年度は概ね不変である。
  • リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。
  • リスクバランスをみると、経済の見通しについては、2024年度以降、概ね上下にバランスしている。物価の見通しについては、2024年度は上振れリスクの方が大きいが、その後は概ね上下にバランスしている。


[ゴールデン・チャート社]

■関連リンク

前回(2024年1月22日、23日開催分)の経済物価情勢の展望(要約)

主要各国の金融政策スケジュール

■参考資料(外部サイト)

経済・物価情勢の展望(2024年4月25日、26日開催分)(日本銀行)

金融政策決定会合の運営(日本銀行)