利上げ「見極めに時間的余裕」=野口日銀委員 2024年10月03日 18時44分
日銀の野口旭審議委員は3日、長崎市での講演後に記者会見し、先行きの金融政策運営について「見極めの時間的な余裕はある」と述べ、再利上げを急がない考えを示した。「(賃金も物価も上がらないという)ノルム(社会通念)が克服できるかの非常に重要なポイントにあり、極めて慎重に行うべきだ」と強調した。
野口氏は、経済・物価動向が見通し通りに推移すれば「極めてゆったりとした形であれ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」とも説明した。
2%物価上昇目標が実現した場合、景気を熱しも冷ましもしない中立金利の水準まで利上げを進めることが想定されるが、野口氏は「中立金利は事前に決め打ちできない」と指摘。その上で「1段階利上げしたら、その影響を確認して、またやっていく『ほふく前進』的なやり方で利上げせざるを得ない」と述べた。