厳しさ続く 2024年08月05日 16時09分

東海東京インテリジェンス・ラボ・シニアアナリスト沢田遼太郎氏
 日本株は当面厳しい状況が続くだろう。日銀による継続的な金融引き締めへの警戒と米国の景気後退懸念が重なった。日経平均株価の下値は3万円程度とみているが、2万7000円あたりまで下落する可能性もある。
 日銀の植田和男総裁は、短期金利の誘導目標で焦点となっている0.5%超えについて「壁として意識していない」と発言。投資家は利上げ継続があり得るとして、リスク資産である株式からの逃避を始めた。加えて米国では、経済統計から景気悪化が懸念され主要株価指数が軒並み下落。米株安につれ、東京市場も全面安となっている。
 円高による懸念はあるが、パソコンやスマートフォンの買い替え需要などで日本企業の業績は堅調な推移が見込まれる。株価の本格回復には日銀がタカ派懸念を払拭するメッセージを打ち出すなど新材料が必要だが、日経平均は底打ちした後から徐々に上昇し年度末には4万円程度を目指すと予想する。

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