賃上げで史上最高値も 2023年11月27日 14時38分

野村証券投資情報部ストラテジスト神谷和男氏
 消費減速を懸念する声もあるが、来年の春闘で物価上昇に負けない賃上げが続くという信頼が醸成されれば、事態は一変する。年前半は賃上げや減税への期待が消費を押し上げ、脱デフレの実感が広がる。日経平均株価は3月末に3万5000円、個人や外国人投資家の動向次第では、6月末までに史上最高値更新も視野に入るだろう。
 今年は3~6月に経済正常化や上場企業の意識改革を背景として株価は急上昇した。株主還元強化や資本効率改善を打ち出すなど、企業の変化が先高感につながっている。業績への懸念材料もなく、日経平均の予想株価収益率(PER)は当面14~16倍を維持する。
 一方、日銀の金融政策正常化はリスクだが、早くても来年後半だ。脱デフレ定着に向けた千載一遇のチャンスを逃さないためにも、景気重視で政策変更をしてくる。日銀はこれまで市場との対話をうまくやっており、過度の心配は必要ない。

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