リコール投票全て不成立=野党24議員対象、頼政権に逆風―台湾 2025年07月26日 20時13分

【台北時事】台湾立法院(国会、定数113)で多数派を占める対中融和的な最大野党・国民党の立法委員(国会議員)24人に対し、リコール(解職請求)の賛否を問う台湾史上最大の住民投票が各選挙区で26日行われた。即日開票され、中央選挙委員会によると、24人のリコールは全て成立しなかった。罷免「ゼロ」の民意に国民党は勢いづき、頼清徳政権には逆風となりそうだ。
8月23日には別の国民党立法委員7人を対象とするリコール投票も予定されている。リコールが成立し解職される立法委員が出た場合、その選挙区では年内に補欠選挙が実施される。
現在は「ねじれ議会」の立法院で少数与党の民進党は、補選で6議席以上を奪えば過半数を確保でき、頼総統による安定した政権運営への道が開けるという算段だった。頼氏は打撃を受けつつも26日夜、フェイスブックで「選挙結果を皆さんは尊重し受け入れるべきだ」と呼び掛けた。
リコール投票を巡っては今月、民間団体「台湾民意基金会」が全土で世論調査を実施。「不賛成」が約48%を占め、「賛成」の約42%を上回っていた。与党に過半数の議席を与えると「一党独裁になる」という国民党側の主張が有権者に浸透したとみられる。