〔NY石油〕WTI下落、64ドル台(23日午前) 2025年07月23日 23時57分
【ニューヨーク時事】23日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、欧州および中国との米関税交渉を巡る警戒感が重しとなり、下落している。米国産標準油種WTIの中心限月9月物は午前10時35分現在、前日清算値(終値に相当)比0.32ドル安の1バレル=64.99ドル。
トランプ米大統領は22日、日本との関税交渉が合意に達したと発表。日本からの輸入品に課す相互関税は15%とし、現在上乗せされ27.5%となっている自動車・自動車部品関税も15%とする。一方、日本は米国産のコメなど輸入を拡大や日本企業関連の対米投資促進に向け、最大5500億ドル(約80兆円)の規模の支援を行う。ただ、巨額の貿易赤字を計上する日本との「大型合意」となったが、欧州連合(EU)および中国との貿易交渉を控えリスク警戒感は根強く、原油売りが先行した。
米エネルギー情報局(EIA)が公表した週間在庫統計(18日までの1週間)は、強弱まちまちの結果となり、相場の反応は限定的。原油在庫は前週比320万バレル減と、減少幅は市場予想(160万バレル減=ロイター通信調査)の2倍となった。ガソリン在庫も170万バレル減と、予想(90万バレル減)を大幅に上回る取り崩し。一方、ディスティレート(留出油)在庫は290万バレル増と、予想(110万バレル減)に反する積み増しとなった。