日鉄、USスチールの買収完了=2兆円規模、米政府に黄金株発行 2025年06月18日 22時41分

 日本製鉄は18日、米鉄鋼大手USスチールの買収手続きを正式に完了し、完全子会社化したと発表した。買収総額は約140億ドル(約2兆円)で、USスチール株を1株当たり55ドルで買い取った。これにより、約1年半にわたる買収劇が決着した。
 USスチールは定款変更などの手続きの後、米政府に議決権のない「黄金株」を発行する。米政府は独立取締役1人を選任する権利を持つほか、USスチールの本社や生産・雇用の国外移転、社名変更や設備投資の削減などに米大統領の同意が必要となる。
 日鉄の橋本英二会長は「トランプ大統領の歴史的な大英断により、パートナーシップが実現したことを大変うれしく思う。世界一の鉄鋼メーカーとしての地位を確かなものにしていきたい」との談話を公表した。森高弘副会長兼副社長はUSスチールの会長を兼務する。
 日鉄は19日、東京都内の本社で記者会見を開き、橋本、森両氏が詳細を説明する。日鉄によると、USスチールは18日、ニューヨーク証券取引所を上場廃止となった。 

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