〔NY石油〕WTI堅調、63ドル台(6日午前) 2025年06月06日 22時52分
【ニューヨーク時事】週末6日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米雇用統計が底堅い内容となったことを背景に過度な景気減速懸念が幾分和らぎ、堅調に推移している。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は午前9時30分現在、前日清算値(終値に相当)比0.50ドル高の1バレル=63.87ドル。
米労働省が朝方発表した5月の雇用統計によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比13万9000人増と、市場予想(13万人増=ロイター通信調べ)を小幅に上回った。ただ4月(14万7000人増=改定)からわずかに減速した。失業率は4.2%と横ばいだった。労働市場の底堅さが示されたことを受け、景気減速懸念に伴いエネルギー需要が減退するとの過度な警戒感が後退。リスク資産の株価が大幅反発したこともあり、原油はプラス圏を推移している。
米国と貿易相手国との通商協議の進展に対する期待感も相場の下支え要因。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は5日に電話会談を行い、追加関税を互いに引き下げるとの合意を踏まえ、近く閣僚級協議を行うことで一致した。一方、トランプ氏とカナダのカーニー首相は貿易交渉を水面下で進めており、9月よりも早期に合意に至る可能性もあるという。