〔米株式〕NYダウ小動き、57ドル安=ナスダックは高い(3日午前) 2025年06月03日 23時19分

 【ニューヨーク時事】3日午前のニューヨーク株式相場は、経済協力開発機構(OECD)が今年の世界成長率見通しを下方修正したことが上値を抑え、小動きとなっている。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時5分現在、前日終値比57.27ドル安の4万2248.21ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は85.32ポイント高の1万9327.93。
 OECDは3日発表した最新の経済見通しで、2025年の世界全体の成長率を2.9%と、3月の前回予測から0.2ポイント引き下げた。米高関税政策に伴い経済の先行き不透明感が強まり、景況感の悪化により「貿易・投資の抑制を招く」と指摘した。これが投資家心理を圧迫している。
 一方、ロイター通信が確認した草案文書で、米政権が複数の貿易相手国に対し、最善の貿易交渉案を4日までに提示するよう求めていることが分かった。米政権は相手国・地域に設定した相互関税の上乗せ分を90日間停止中で、その期限が7月上旬に迫る中、協議を加速させ、合意にこぎ着けたい思惑がある。米国は各国からの回答を数日以内に評価し、相互関税の税率を含めた着地点を示す予定という。米中首脳による通商協議も含め、米国と貿易相手国の関税措置を巡る交渉進展が注視されており、様子見姿勢も強い。
 米労働省が午前発表した4月の米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人数は前月比19万1000件増の739万1000件と、市場予想(ロイター通信調べ)の710万件を上回った。市場の反応は今のところ限られている。
 ダウ構成銘柄をみると、コカ・コーラやトラベラーズなどが下げている。一方、個別銘柄では、メタ(旧フェイスブック)と電力供給を巡る契約を交わしたコンステレーション・エナジーが5%超高となっている。

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