豊田織機にTOB=4.7兆円で買収、非公開化―トヨタなど 2025年06月03日 15時55分

豊田自動織機の本社=愛知県刈谷市
豊田自動織機の本社=愛知県刈谷市

 トヨタ自動車などは3日、同社を中心とする陣営がグループ源流企業の豊田自動織機をTOB(株式公開買い付け)で買収し、非公開化すると発表した。グループの資本関係の整理が狙いで、買収総額は約4兆7000億円を見込む。豊田織機はTOBに賛同を表明した。一連の取引にはトヨタの豊田章男会長のほか、グループのアイシン、デンソー、豊田通商なども参画。TOBは12月上旬をめどに始める計画だ。
 豊田織機はグループ創始者の豊田佐吉氏が設立した企業で、トヨタは同社から分かれる形で設立された。その経緯からグループ各社の株を多く保有する一方、各社から出資も受ける持ち合いの関係にある。
 発表によると、買い付け価格は1株1万6300円で、3日の豊田織機株の終値を約11%下回る。TOBは、豊田氏が会長を務めるトヨタ不動産が設立する持ち株会社を通じて実施。アイシン、デンソー、豊田通商が応募する予定で、トヨタ自動車保有分は別途、同1万3416円で買い付ける。一方、各社もTOBを実施し、豊田織機が持つ各社株を計約3兆1000億円で買い取り、持ち合い関係を整理、解消する。
 持ち株会社にはトヨタ不動産が約1800億円(議決権99.5%)を出資するほか、豊田氏が10億円(同0.5%)を出し、「株主、資本家として関与する」(トヨタ不動産の近健太取締役)という。トヨタ自動車も議決権のない優先株で約7000億円の出資を行う。
 買収資金のうち約2兆8000億円は銀行から借り入れる。最終的に豊田織機が返済義務を負う形になるが、同社の伊藤浩一社長は説明会で「返していく自信はある」と強調した。 

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