〔NY石油〕WTI軟調、62ドル台(19日午前) 2025年05月19日 23時10分
【ニューヨーク時事】週明け19日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中両国の景気停滞に伴う需要鈍化を意識した売りが先行し、軟調に推移している。米国産標準油種WTIの中心限月6月物は午前9時55分現在、前週末清算値(終値に相当)比0.12ドル安の1バレル=62.37ドル。
米格付け大手ムーディーズ・レーティングスは16日、米国債の格付けを最上級の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げたと発表。政府債務の拡大に伴う利払い費の膨張を理由に挙げた。また、中国国家統計局が19日発表した4月の鉱工業生産、小売売上高の伸びはともに前月から鈍化。トランプ米政権が発動した高関税政策が影響したとみられ、世界の二大経済大国の景気低迷により、エネルギー需要が伸び悩むとの警戒感が台頭した。
相場は早朝に一時61ドル台半ばまで下落。その後は、米中両国が前週、貿易戦争の一時休戦で合意したことに着目した見直し買いが入り、前週末終盤の水準まで持ち直した。ただ、ベセント米財務長官は18日のテレビ番組のインタビューで、トランプ米大統領が「誠意をもって」交渉しない貿易相手国に対し、4月に示した税率で関税を課すなどと発言。これを受け、各国との貿易摩擦を巡る懸念がくすぶり、相場の上値を抑えている。