〔東京外為〕ドル、146円台後半=利益確定や調整の売りで下落(14日午後5時) 2025年05月14日 17時04分

 14日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、利益確定や調整の売りが優勢となり、1ドル=146円台後半に下落した。午後5時現在、146円97~98銭と前日(午後5時、147円85~87銭)比88銭のドル安・円高。
 前日発表された4月の米消費者物価指数の伸び率が市場予想を下回り、米利下げを意識したドル売り・円買いが先行した海外の流れが、東京時間も継続した。早朝は147円30銭台で推移。時間外取引の米長期金利の上昇に伴い、午前9時すぎには147円65銭前後へ水準を切り上げた。一方、仲値公示に向けては「国内輸出企業のドル売り・円買いが優勢だった」(外為仲介業者)といい、公示後は147円前後に値を下げた。
 高寄りした日経平均株価が急落し、下げ幅が一時300円を超えるなどしたことも、リスクオフのドル売り・円買いを促した。売り一巡後は買い戻され、正午前には147円20銭台に持ち直した。午後は再び下落基調に転じ、一時146円80銭台の安値を付けた。その後は147円20銭前後まで値を戻す場面があったが、上値は重かった。
 市場では、米中貿易協議後のドル円上昇の反動で、「利益確定や調整の売りが出やすい」(同)との声が聞かれる。市場のリスクオフムードがいったん和らいでいることで「日銀の利上げ観測が再び強まっていることも、ドル売り・円買い要因になっている」(邦銀)との見方もある。加藤勝信財務相が来週、ベセント米財務長官との会談を目指す意向を示し、米政権から円安是正を求められるとの観測もドル円の下押し要因とされる。
 ユーロは対円、対ドルで上昇。午後5時現在、1ユーロ=164円82~84銭(前日午後5時、164円34~34銭)、対ドルでは1.1214~1215ドル(同1.1115~1115ドル)。

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