〔NY石油〕WTIもみ合い、75ドル台(23日午前) 2025年01月23日 23時42分
【ニューヨーク時事】23日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、トランプ米新政権の関税やエネルギー政策の行方に注目が集まる中、もみ合いとなっている。米国産標準油種WTIの中心限月3月物は午前9時15分現在、前日清算値(終値に相当)比0.02ドル高の1バレル=75.46ドル。
トランプ米大統領は20日、「国家エネルギー非常事態」を宣言。石油増産を後押しすることでエネルギー価格を引き下げ、根強いインフレへの国民の不満に対処する姿勢を改めて示した。また22日、住宅費や医療費など生活コストを引き下げるため、規制緩和や気候変動対策の撤廃を進めるよう各省庁に命じる大統領令に署名した。新政権による中国や欧州連合(EU)、ロシアなどに対する関税措置の動向に加え、エネルギー政策が市場に与える影響を巡り不透明感がくすぶる中、相場は朝方、買いがやや先行していた。
一方、米石油協会(API)が前日発表した週間在庫統計(17日までの1週間)では原油在庫は前週比95万8000バレル増と、市場予想(160万バレル減=ロイター通信調べ)に反する積み増しとなった。ガソリン在庫とディスティレート(留出油)在庫も積み増し幅が予想を上回り、需給の緩みを意識した売りも出ている。市場は、米エネルギー情報局(EIA)がこの日正午に発表する在庫週報に注目している。