基礎収支3.2兆円赤字=今年度、黒字化未達へ―政府 2025年08月07日

 政府は7日、経済財政諮問会議(議長・石破茂首相)で、財政健全化の指標となる国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)が2025年度に3兆2000億円程度の赤字になるとの試算を示した。税収の上振れで1月の試算(4兆5000億円程度の赤字)より改善するものの、25年度の黒字化実現はほぼ不可能な状況となった。
 PBは、社会保障や公共事業などの政策経費を借金に頼らず、税収などの財源でどれだけ賄えているかを示す指標。政府は18年以降、「25年度」の黒字化目標を掲げていたが、今年6月に決定した経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」で、達成時期を「25年度から26年度」と事実上先送りしていた。
 PBの黒字化達成は26年度となり、黒字幅は3兆6000億円程度を見込む。ただ、この試算は、高校授業料など教育無償化の安定財源を確保することが前提。さらに、衆参両院で少数与党となった石破政権が野党の要求に応じ、消費税減税などに踏み切れば、黒字化の達成は危ぶまれる。 

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