H2A打ち上げ成功=月面探査機など搭載―H3失敗後、初の大型機・種子島 2023年09月07日

 三菱重工業は7日午前8時42分、日本初の月面着陸を目指す小型月面探査機「SLIM(スリム)」などを搭載したH2Aロケット47号機を鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げた。探査機とX線天文衛星「XRISM(クリズム)」は約48分後までにそれぞれ予定軌道に投入され、打ち上げは成功した。いずれも正常に機能しているという。
 後継の新型ロケット「H3」1号機が3月に失敗して以降、大型機の打ち上げは初めてで、成否が注目されていた。同社で打ち上げ責任者を務める徳永建・宇宙事業部技師長は同日午後に記者会見し「H3失敗後の打ち上げで、緊張感とプレッシャーを感じてきた。無事に成功し、本当にほっとしている」と述べた。
 47号機の打ち上げは5月ごろの計画だったが、H3失敗を受け宇宙航空研究開発機構(JAXA)などは共通部品への影響を調査。対策を施した上で8月26日に予定していたものの、天候が整わず3回先送りされていた。
 SLIMは高さ約2.4メートル、重さ約200キロの探査機。着陸目標地点は月の表側、赤道近くの「神酒(みき)の海」にある小さなクレーターで、打ち上げ後3~4カ月で月周回軌道に到達し、年明け以降の着陸を計画している。 

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小型月面探査機「SLIM(スリム)」などを搭載し、打ち上げられたH2Aロケット47号機=7日午前、鹿児島・種子島宇宙センター
小型月面探査機「SLIM(スリム)」などを搭載し、打ち上げられたH2Aロケット47号機=7日午前、鹿児島・種子島宇宙センター

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