水産業支援へ総額1007億円=中国禁輸で対策強化―岸田首相、消費拡大へ「理解と支援を」 2023年09月04日

 政府は4日、中国による日本産水産物の全面禁輸を受け、水産業支援のための政策パッケージをまとめた。新たに予備費から207億円を投じ、支援額は既存の基金との合計で総額1007億円。中国への輸出割合が大きいホタテ貝などの販路開拓や加工設備の国内導入などを支援する。水産物輸出の中国依存リスクを抑えるのが狙いだ。
 岸田文雄首相は同日、首相官邸で記者団に「国民の皆さまにも理解と支援をお願いしたい」と述べ、国内消費拡大を呼び掛けた。
 国内生産量に占める中国・香港向けの輸出割合は、ホタテ貝が35%、ナマコが73%に上る。対策では、こうした品目の一時買い取り・保管を支援するほか、取引先の紹介など海外市場開拓に力を入れる。
 ホタテ貝は中国でむき身加工された後に米国に輸出されるケースも多く、中国を経由せずに輸出できるよう機器導入の経費を補助し、国内の加工能力を強化する。既存の加工設備を活用するための人材確保も支援する。 

その他の写真

記者団の取材に応じる岸田文雄首相=4日午後、首相官邸
記者団の取材に応じる岸田文雄首相=4日午後、首相官邸

特集、解説記事